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1から始めるPDIC

このページでは、PDICを利用した単語帳・辞書作りについて説明します。
PDICの基本的な使い方については、PDICの使い方をご覧ください。
第1章 「単語帳」としての PDIC
第2章 ムダにならない「単語帳」
第3章 辞書&環境のバックアップ
第4章 登録規則…辞書の質を向上させるために

第1章 「単語帳」としての PDIC

1.1 懐かしの「単語帳」

中学校や高等学校で英語を習ったことがある人ならば、辞書があるにも関わらず一度は「単語帳」というものを作ったことがあると思います。授業の予習・試験前の暗記用などに、ノートやリング形式のカードにまとめた経験はありませんか?そして、一生懸命、単語帳を作っても、「あっ!前に調べた単語、どこに書いたかなぁ?見つからないぞ!」と悔しい思いをした経験もまた、誰にもあると思います。PDICの最も基本的な機能は、この「単語帳」にあります。

そして、PDICにできて、他のどのソフトにもまねができないのは、この「単語帳」としての機能です。事実上、無限の語数の登録が可能。発音記号入力可能。レベル表記15ランク可能。品詞分類をはじめとするラベル入力補助。音声・絵・ファイルなどを張り付け&表示する機能。インターネットブラウザのようなリンク機能。これらのすべてが、この「単語帳」の機能をサポートしています。では、この「単語帳」としての機能を紹介します。

1.2 「単語帳」としてのPDIC − 準備編

まずは、準備です。メインメニュー「Files」→「新規辞書の作成」→「ファイル名」で、適当な辞書の名前を付けて下さい(xxx.DICで / xxx = 自分の名前でOK)。ここでは、「PERSONAL.DIC」という名前にしてみます。

次に、メインメニュー「Files」→「辞書グループ新規作成」→「グループ名」で、適当な名前を入れます。ここでは、「Personal」にしてみます。さらに、「辞書追加」を選んで、さきほど作成した辞書「PERSONAL.DIC」を「使用辞書」として指定してやります。

メイン画面右上の「辞書グループ」から、さきほど作成したグループ「Personal」を選択してやります。ツールバーの名前が、「Personal Dictionary for Windows - Personal」にかわればOKです。

これで準備完了です。

1.3 「単語帳」としてのPDIC − 基本操作編

さて、さっそく、適当な文字をメイン画面の「WORD」欄に入れてみましょう。何をいれても「Not found」と表示されます。つまり、今、PDICは何も登録されていない状態になっています。これから「単語帳」をつくっていくわけです。

「WORD」欄の文字を消すには、ESCキーを押します。

入力する単語は、なんてもかまわないのですが、試しに、「time」と入れて、リターンを押してみましょう。すると、「日本語訳入力:新規登録」というウインドウが開きます。とりあえず、「時間」と入力して、リターンしてみましょう。

すると、「Recorded」という表示と共に、もう「time」という単語が、画面に表示されていますね。カーソルキーを「↑」「↓」に動かすor「WORD」欄に「time」と入力すると、その「time」が反転します。

反転した「time」の上で、もう一度リターンを押すと、「日本語訳登録:修正」が開きます。先ほど登録した、「時間」のあとに、「、」を入れてから、「時代」と入力して、リターンを押します。「、」は、自動的に半角文字「,」に変換されます。

すると、「Modified」という表示とともに、「time」という単語が、訳語が「時間、時代」と変化して、画面に表示されています。カーソルキーを「↑」「↓」に動かす or 「WORD」欄に「time」と入力すると、その「time」が反転します。

ここで CTRLを押しながら"D"を押します(CTRL + D)。すると「単語の削除」というウインドウが開いて、単語を削除するかどうか、聞いてきます。ここで「はい」をクリックします。すると、「Deleted」という表示と共に、単語が削除されました。

ここまでが、「単語の登録・修正」と「単語の削除」の手順です。PDICの操作の中でも、もっとも頻繁に使うものですのです。次に実践編へ進みますが、その前に、基本操作をもう一度、確認しておきましょう。
「WORD」欄の使い方 消去はESCで一発
Not found. / Recorded. / Modified. / Deleted. の意味と使い方
それぞれ訳語の間は、「,」で区切りを入れる
↓ 次に進む前に、最低10個程度、単語を登録しておいて下さい。↓

1.4 「単語帳」としてのPDIC − 実践編

実際に単語帳を作るときには、とりあえず調べたい単語を一度、書き出してから、あとでまとめて調べますよね? それは、本やテキストなどで知らない単語が出てくる度に調べていたのでは、その内容を忘れてしまうためです。PDICにも、同じ機能があります。「とりあえずメモっといてあとで調べよう」というこの機能のことを、「?語登録」といいます。使い方は、通常の新語登録のところで、訳語に「?」を入れておくだけです。調べたい単語を、とりあえず、すべて?語登録してから、メインメニューの「Search」→「?単語検索」を選べば、?語のリストが出てきます。あとは、訳語を記入したい単語を、「↑」「↓」キーを使って選び、リターンするだけです。

単語帳を作るもう一つの目的は「暗記」ですよね。リング付きのカードにしたり、下敷きで隠したり、チェックペンで塗ったり。PDICにも、同じ機能があります。メインメニュー「Tools」→「単語テスト - 辞書から」を選んで下さい。チェックは、「全辞書」以外は、とりあえず全部はずしておきます。設定ができたら、「OK」を押すと、はじまります。補習もできます(笑)。

しかし、単語帳に調べた単語をすべて暗記するわけではありませんよね。リング付きカードで覚える単語を抜き出したように、PDICにも、暗記語登録という機能があります。単語が選択されている状態で TAB キーを押すと、『暗』という表示がでますよね。もう一度 TAB を押すと、消えます。これが暗記語登録です。「Tools」→「単語テスト - 辞書から」→「出題範囲制限」→「暗記必須単語から」をチェックすると、単語テストの出題が、暗記語登録されたものからになります。

単語帳、といえば、プリントを貼ったり、絵を書いたり、ということもできました。PDICでも同じことができます。デジカメなどで取った写真をはりつけたり、発音記号を入力したすることができます。それどころか、単語帳では不可能だった、音声を登録することすら、可能です。この部分(メインメニュー「Insert」の部分)の説明は、後の章で行います。

ここまでが、「単語帳」としてのPDICの使い方 − 実践編です。以下、まとめです。
?語登録・暗記語登録の意味と使い方
単語テストのやり方・暗記語登録と単語テストの関係

1.5 「単語帳」・応用編(1) − ラベルとラベリング

訳語に検索用のキーワードを入れてやることで、さまざまなグループ化が可能になります。たとえば、「英語の諺を知りたいなぁ」とか、「英語の動物名を知りたいなぁ」とか、漠然と思うことがあります。なにかグループにできそうなものがあれば、その目印になるものを訳語の中に入れておきます。このグループ分類に使う目印ことばのことを、ラベルといいます。訳語と区別するために、ラベルは【 】でくくります。たとえば、テキストを使って勉強している場合なら、【3課】などのようにラベルをつけておけば、試験前などに、「F3」→「日本語訳検索」で、【3課】で検索すれば、そこで出てくる単語を一瞬で呼び出すことができるわけです。

え?入力するのがメンドウ? PDICには、ラベリング機能という入力補助の機能までついています。「日本語訳入力」のウインドウが開いていれば、そのウインドウ下部に、「ラベリング編集」というボタンがあるはずです。ここでキーワードを登録しておくことができます。登録したキーワードを呼び出すときは、CTRLを押しながらL押すと、一覧が出ます。「↑」「↓」で選択してリターンで、入力することができます。
ラベルの意味と使い方、ラベルは【 】で!
ラベルの登録方法と呼び出し方法

1.6 「単語帳」・応用編(2) − 単語レベル

最近の学習英和辞典では、よく使う単語の見出しは、活字を大きくしたり色を変えたりして英語を勉強する人の助けになるようにしてあります。PDICにも同じ機能が存在します。この機能を、単語レベルと呼びます。PDICでは1〜15の間で単語レベルを自由に設定することができます。

単語レベルは、メイン画面で「WORD」欄に何か入力し単語が表示されている状態で、レベルを変えたい単語のレベル欄の上で右クリックで入力できます。「日本語訳入力」の画面で入力することもできます。

単語帳を作る場合、単語レベルの使い方には大きく2つあります。1つは市販の辞書にある情報を参考にして、使用頻度ごとに設定するもの。この場合は、「レベル5は大学教養程度」などとレベルの意味を自分でしっかり確認しておく必要があります。ある程度辞書づくりになれるまでは、この方法はオススメしません。面倒だからです。

単語レベルの2つめの使い方は、辞書を引いた回数ごとにレベルをあげていく、というものです。つまり、登録した直後はレベルなし。次に同じ単語を調べたらレベル1、3回目に引いたらレベル2、というふうにレベルをあげていきます。しばらく使っていると、レベルの高いモノほど、自分の知らない使用頻度の高い単語がわかります。

「いちいちレベルを設定するなんて面倒だぁ〜」という人は、レベル機能を単語テスト用に使うことができます。メインメニュー「Tools」→「単語テスト−辞書から」→「辞書学習する」にチェックを入れます。覚えた単語はどんどんレベルがあがっていき、覚えていない単語はレベルが下がっていきます。レベルの高い単語はもう覚えている単語、レベルの低い単語は覚えていない単語ということになります。
単語レベル機能とその入力方法
単語レベルの2つの使い方
単語レベルと単語テストとの関係

1.7 「単語帳」・応用編(3) − 履歴

そもそも、「単語帳」を作る大きな目的の1つは、辞書で同じ単語を何度も引かなくてすむようにすることでした。同じ単語を辞書や単語帳で引く度に、「前引いたのにバカだなぁ」と時に自己嫌悪しながら、単語は覚えるものです(偏見?)。PDICには、辞書で調べたor登録した単語を記録する機能があります。これを履歴機能といいます。

履歴機能を使えるようにするには、メインメニュー「Options」→「動作環境の設定」→「履歴ファイルを使用する」にチェックを入れます。これだけでも使えるのですが、さらに「履歴ファイル名」を押して、履歴ファイルの保存先を「デスクトップ」しておきましょう。これで、PDICで単語を登録したり、調べたりしたときに履歴が残るようになります。

履歴の呼び出しは、PDICのメインメニュー「View」→「履歴ファイルの閲覧」で行います。デスクトップに保存した場合は、history (history.txt)というファイルが、デスクトップ上にあるはずので、このアイコンをダブルクリックしてやるとPDICに関係なく、いつでも履歴を開くことができます。

履歴機能は、単語テストと組み合わせることで真価を発揮します。しばらくPDICを使って、履歴にいくつか単語が残っている状態にしてから、メインメニュー「Tools」→「単語テスト−履歴から」を選びます。問題数を適当に入力してやると、履歴ファイルから単語テストが出題されます。
履歴機能と設定方法
履歴機能を使った単語テスト

第2章 ムダにならない「単語帳」

2.1 ムダにならない「単語帳」 − 辞書のマージ(準備編)

PDIC以前に、自分なりの単語帳を作っていた人はいませんか?『今までに、ワープロなんかでたくさん単語帳作ってたんだけどなぁ〜』方は、ぜひ、これまでの単語帳を、自分のPDIC辞書へ取り込みましょう。この取り込み作業のことを辞書のマージ、といいます。

単語帳の形式は、いろいろですから、そのままではPDICに取り込むことができません。やり方は2つありますので、自分の好みに合わせて、編集をしてみてください。ワードや一太郎などのワープロを使うときは、かならず保存形式をテキスト形式にしてください。PDICが読み込めるのは、テキスト形式だけです。

【編集方法その1】: "登録語 /// 日本語訳"、つまり英単語のあとにスペース、そのあとに「/」を3つ、さらにスペース、そのあとに日本語訳、という形式にします。1行が1つのデータになります。登録語と訳語の間に、' /// 'というう文字列が必ずはいるように注意してください。この形式のことを、1行テキスト形式といいます。

【編集方法その2】: 1行目が登録語・2行目が訳語。2行で1つのデータになります。以下、奇数行=登録語、偶数行=訳語になるように注意してください。この形式のことを、PDICテキスト形式といいます。

どちらかの方法で、手持ちの単語帳をPDICに取り込む準備ができたら、ファイル名を「aaa.txt」とつけて、C:\PDICW\(PDICWをインストールしたフォルダ)へ、保存して下さい。これで準備は完了です。
辞書のマージ 手持ちの単語帳をPDICへ取り込もう
取り込めるのは、テキスト形式 保存方法に注意
1行テキスト形式 と PDICテキスト形式 の違い

2.2 ムダにならない「単語帳」 − 辞書のマージ(取り込み編)

では、今までに作った単語帳(aaa.txt)を、自分のPDIC辞書(personal.dic)へ取り込んでみます。

万が一、失敗したときのために、マージ先となる自分のPDIC辞書(personal.dic)は、あらかじめ必ずバックアップしておきましょう。別のフォルダか、フロッピーディスクにコピーすれば十分です。

メインメニュー「Tools」→「辞書の変換」で、転換元辞書と、転換先辞書を指定してやります。「転送元辞書」には、「aaa.txt」を選択してやります。次に、転送元辞書のファイル形式を選びます。2.1で方法その1を選んだ人は「1行テキスト形式」を、方法その2を選んだ人は「PDICテキスト形式」を選んで下さい。

転送先辞書には、自分のPDIC辞書(personal.dic)を選んで下さい。あとはOKでうまくいくはずです。

ためしに、検索してみてください。今までに作った単語帳のリストが表示されましたか?

うまくいかなかったら、バックアップ先から復元してやれば、もとにもどります。
辞書のマージの前には必ず辞書のバックアップを
転送元辞書の形式を間違えないように

2.3 ムダにならない「単語帳」 − マルチ辞書

自分で作った辞書には、誰しも愛着があるもの。辞書のマージを使わずに、複数の辞書を同時に使うには、「マルチ辞書」機能を利用します。見かけ上は1つの辞書のように使うことができます。

メインメニュー「File」→「辞書グループ編集」→「辞書追加」を選びます。試しに、「Sample.dic」を選んで「開く」と、辞書グループ「Personal」に、「Sample.dic」が追加されます。「OK」をクリックすると、準備完了です。

「WORD:」欄に自分が登録した単語を入力してみると、自分の辞書と「Sample.dic」の内容がまとまって表示されているのがわかると思います。PDICでは、このようにして16個まで同時に辞書を使うことができます。
マルチ辞書機能→辞書グループへ辞書を追加する
辞書のマージのまえに、まずマルチ辞書機能を

第3章 辞書&環境のバックアップ

PDIC に限ったことではないのですが、データのバックアップはとても大切です。ソフトウェアは、インストールをやりなおせば、いくらでも復元できますし、ハードウェアも、お金をだせば、帰ってきます。でも、失ったデータは、お金を出しても戻ってきません。データのバックアップは、必ず取っておくようにしましょう。

PDIC におけるバックアップとは、「環境データ」と「辞書」との2つを指します。「環境データ」とは、ラベルデータ・背景の色・フォント設定などのことです。この環境データについては、PDICW のメインメニューの「Options」→「INIファイル出力」で、保存先をUSBメモリなどに設定してやれば、OKです。外部メディア2枚にそれぞれ隔週ごとに保存しておくと万全でしょう。

「辞書データのバックアップ」については、エクスプローラで、「C:\PDICW」のフォルダを開いて、Personal(Personal.dic)と、User(User.dic)の2つをコピーしておくとよいでしょう。

バックアップをとったメディアには、しっかりラベルをはって、なくさないようにとっておきましょう。いざ!というときに役に立ちます。

第4章 登録規則…辞書の質を向上させるために

以下は、新語の登録や登録語の修正のときに、守ったほうがよいマナーです。

1.全般的な登録規則

  1. 一部省略は "〜" で統一
    ×"…する", "...する", "・・・する",などは避ける
  2. "〜に...を"のように2つ以上の補句がある場合はA,B,C・・・で対応する
    例: tell A from B AとBとを区別する
  3. 英単語の方には全角文字は極力避ける
  4. 英単語側の〜は" ~ " ×英単語側は"〜"を使わない
  5. 所有代名詞はone'sで統一
    ×my,his,her,us,their,something,someone,somebodyを用いない
  6. to不定詞登録はto doで統一
    ×to ~やtoのみはダメ 例liable to do, be 〜しがちである
  7. ing形登録の時は ~ing で統一
    ×"〜ing"などは避ける 例: prevent A from ~ing Aが〜するのを防ぐ
  8. 例: - Daily Yomiuri 95/01/18 p.1

2.日本語訳・用例の登録規則

  1. "〜の"など〜を省略できるものは極力省く
    × 〜を売る → ◎ を売る
  2. カッコの使い方:ラベリング記号は【 】・発音記号は[ ]・それ以外は ( )
    ×《》<>< >『』「」「」[][]{}{ }などは避ける
  3. 動植物などの名前はカナでの統一
    ○カメ ×かめ ×亀
  4. 雑誌等の引用の際のフォーマット " - 雑誌名 年/月/日 p.(ページ)"

3.ラベル設定について

  1. ラベリングに省略を用いない

    例えば,【ギリシア神話】というラベリングでは, ペーパーの辞書では【ギ神】のようになっていると思うのですが,ペーパー辞書流の省略はかなり恣意的な部分が多いので,混乱の元になります。検索するときに、どんな省略をしたのか忘れてしまうのです。だから、すこし面倒ですが省略を使わず、完全な綴りでする事をおすすめします。さほどディスク容量をとるとも思えませんし。気に入らなければ,エディタなどで一括置き換えすればよいことです。

  2. 品詞の入力は最小限にとどめます。

    必要以上のラベリングは非常に見にくくなります。副詞と形容詞など,訳語だけでは品詞の区別が付きにくい時のみ,品詞分類をつけるほうがよいかと思います。

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